ブレークダウン法とビルドアップ法

はじめに

微粒子を生成する方法として、「ブレークダウン法(トップダウン法)」と「ビルドアップ法」があります。各特徴についてご説明します。

特徴

「ブレークダウン法(トップダウン法)」と「ビルドアップ法」の主な特徴を以下に記します。

項目ブレークダウン法ビルドアップ法
方法粉砕法化学的合成反応
コスト安価高価
形状制御難しい可能
粒子径数100nm(工夫により微粒化可)数nm~数10nm
粒度分布比較的ブロードシャープ
粒子歪み多い(メカノケミカル)
純度低い高い
その他大量処理が可能凝集体を形成しやすい

「ブレークダウン法」は材料にエネルギーを与えて粉砕する方法です。粒子は粉砕されると新しい表面が活性化し、粒子同士が凝集しやすくなり、粉砕・凝集を繰り返します。そのため、乾式粉砕法では「3µmの壁」を超えることが難しいことは良く知られています。乾式粉砕でも粉砕助剤を用いることで1µm以下にすることが可能なこともありますが、3µm以下にする場合には湿式粉砕法が使われることが一般的です。湿式粉砕では、溶媒による分散効果や湿潤による表面エネルギーの低下、分散剤の添加による荷電の反発、および分散剤の立体障害による分子間の反発障害等によって微粒子化が行えます。

乾式粉砕と湿式粉砕の違い

ブレークダウン法

ブレークダウン法にて粒子を細かくする際には粉砕機を利用します。粉砕物の粒径や目標粒径、粉砕物の特性等を考慮し適切な粉砕機を選ぶ必要があります。例えば粉砕物の粒径により、粗粉砕機や微粉砕機などの粉砕機の種類を選択したり、目標粒径を参考に乾式粉砕機/湿式粉砕機等を選択したりする必要があります。また粉砕物の特性等によっても、メディア式粉砕機/メディアレス粉砕機を選択する必要があります。これら各粉砕機の特長は『粉砕とは』よりご確認下さい。

粉砕とは?

ビルドアップ法

ナノ粒子の生成や自然界に無い新たな物質を作るには、原子や分子を物理的あるいは化学的な方法で反応させて大きくする方法のビルドアップ法がよく用いられています。 表2 にビルドアップ法の主な方法を記載しています。ビルドアップの方法としては、電子やレーザーなどのビームをバルク物質に照射して分解・蒸発させることで微粒子や薄膜を作るスパッタリング法、レーザービーム照射法などがあります。また、各種のガスを高温で化学反応させる、化学気相成長法(CVD 法)などもあります。例えば、アセチレンなどのカーボンが含まれるガスを金属微粒子の触媒を用いて高温で化学反応させると、カーボンナノチューブが合成されます。液体状態から固体を析出させて作る方法としては、ゾル・ゲル法があり、セラミックスやガラスなどの合成に広く用いられています。

ビルドアップ法はナノ粒子や新しい物質を作り出すのに適していますが、生成した粒子は凝集していることも多いため、合成後、解砕・分散処理を行う必要があり、その分散にボールミルやビーズミル、高圧ホモジナイザーなどの分散機が使われています。

分散機製品一覧

1)坂東義雄, ナノ物質の形態と構造(I),Science&Tchnology Journal,[no.8],(2002)

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