ニーデックスを用いた混練処理による板状粒子の剥離

はじめに

当社製品のニーデックスを用いた、混練処理による板状粒子の剥離についてご紹介します。

板状粒子の剥離技術

板状粒子の剥離技術

板状粒子とは、粒子形状が板状(鱗片状)で一次粒子が積層された状態です。高分子材料(母材)にフィラーとして板状粒子を混練すると、一次粒子が積層されたままでありフィラーの分散不良が生じやすく、材料の機能が十分に発揮されない可能性があります。そのため、板状粒子を剥離する様々な取り組みが行われています。機械的に h-BN 粒子を剥離させる手法として、湿式ジェットミル、超音波法、三本ロールミルなどが挙げられますが、産業分野へ適用可能な剥離手法は確立されていません。
ここでは、連続式二本ロール機である「ニーデックス」を用いた窒化ホウ素(h-BN)粒子の剥離技術を紹介します。それらの材料を、「ニーデックス」を用いて混練処理を行うことでロールの回転方向に沿って h-BN 粒子の剥離が進み、h-BN 粒子の剥離および複合材料の混練が同時に進行します。 h-BN は、一次粒子である板状の h-BN 粒子がファンデルワールス力により結合しているため剥離が難しい材料の一つです。

処理例

「ニーデックス」を用いて混練した複合材料中に含まれる h-BN 粒子の電子顕微鏡写真です。h-BN 粒子は、結晶片が積層して厚みがあることが確認できます。これに対し、混練後の複合材料に含まれる h-BN 粒子は、結晶片が剥離して薄くなりました。

複合材料中のh-BN 粒子

下図は、h-BN 粒子(混練前)と混練した複合材料中に含まれる h-BN 粒子の厚みごとの頻度分布です。混練後の h-BN 粒子は、厚みの薄い板状粒子の頻度が増え、混練を進める 過程で h-BN 粒子が徐々に剥離されていることが解かります。

h-BN 粒子の厚みごとの頻度分布

下表は、「ニーデックス」の運転条件や h-BN 粒子の銘柄を変えて、複合材料を混練した結果になります。
①と②の運転条件を比較すると、②条件の方が、①条件より h-BN 粒子の比表面積およびアスペクト比が大きくなりました。これは、②条件の混練時間が長いため、h-BN 粒子が「ニーデックス」からせん断力を受ける時間が長くなったためと考えられます。①と③の運転条件を比較すると、③条件の方が、①条件よりも結晶片の比表面積およびアスペクト比が小さくなりました。これは、ロール回転速度比を小さくしたこ とで、h-BN 粒子が「ニーデックス」から受けるせん断力が小さくなったためであると考えられます。また、①と④の運転条件を比較すると、④条件の方が、①条件よりも結晶片の比表面積およびアスペクト比が小さくなりました。④条件では h-BN 粒子の量が少なくなったため、h-BN 粒子に直接作用するせん断力が小さくなったと考えられます。
このように、「ニーデックス」による h-BN 粒子の混練処理は、せん断力を調整できるファクターが多いため、目的に応じて h-BN 粒子を剥離することが可能となります。
⑤および⑥条件では、h-BN 粒子の銘柄変えて複合材料を混練しています。複合材料の物性によって混練後 のアスペクト比に差異は生じますが、h-BN 粒子の物性に拘らず板状粒子の剥離が生じることがわかりました。

[運動条件]
運転時間
[運動条件]
速度比
[運動条件]
h-BN 粒子
添加率
h-BN 粒子
銘柄
原料
比表面積
(m2/g)
混練後
比表面積
(m2/g)
原料粒子
アスペク比
混練後
アスペク比
標準1:0.860vol.%A5.18.144.349.7
標準の2倍1:0.860vol.%A5.18.544.355.2
標準1:160vol.%A5.17.344.348.4
標準1:0.850vol.%A5.16.644.344.3
標準1:0.860vol.%B6.77.356.763.5
標準1:0.860vol.%C2.34.151.882.2

「ニーデックス」を用いた板状粒子の剥離メリット

・剥離工程と混練工程を分けることなく 1 台の装置で処理が完結するため、製造工程が削減できます。
・「ニーデックス」による板状粒子の混練処理は、せん断力を調整できるファクターが多いため、目的に応じて h-BN 粒子を剥離することができます。
・「ニーデックス」はロール間で発生する強力な圧縮・せん断作用でフィラーを高充てんすることができるため 大量の板状粒子を剥離できます。
・板状粒子のみを取り出したい場合は、複合材料の高分子材料分を揮発させることで容易に 取り出すことができます。

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